地域商品券とは、自治体が独自に発行している金券です。発行することには、地域の経済活動の活発化を始めとする複数のメリットがあります。

本記事では、そもそも地域商品券とは何かや地域商品券のメリットと懸念点、活用事例をご紹介します。

地域商品券とは

地域商品券を利用するメリットを解説

地域商品券は、多くが経済活動の活性化を目的に発行されていますが、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

この章では、地域商品券を利用することのメリットについて紹介します。

利用者の購買金額や回数の増加

地域商品券を利用すれば、購入額に対する上乗せ分だけ、利用者の購買金額や回数を増やせます。

例えば、20%上乗せした商品券を1万円購入すると、12,000円の商品券が受け取れます。

地域内での買い物を促進できる

自治体側のメリットとしては、地域商品券は、購入した地域内での買い物にのみ使用できるため、地域内での買い物を促進する効果があります。

地域内の大型ショッピングモールに流れてしまいがちな印象がありますが、中小店舗専用の枠がついている場合もあるため、中小店舗としてもメリットがあるといえるでしょう。

これにより、地域経済の活性化に期待できます。

地域商品券の懸念点について解説

地域商品券には、利用者側にも自治体側にもメリットがありますが、同様に懸念点があることも把握しておかなければなりません。

ここでは、地域商品券の懸念点について解説します。

偽造防止の手段が必要

地域商品券は偽造トラブルが多く発生しており、偽造防止の取り組みは必要不可欠です。

偽造防止の手段の例としては、セキュリティホログラムやコピーガードを施す、電子商品券を利用するなどがあげられます。

地域商品券の偽造は、地域経済に悪影響を及ぼす危険もあるため、必ず偽造防止の手段を用意しておきましょう。

印刷のコストがかかってしまう

紙の地域商品券は、発行すれば地域の活性化に期待できますが、発行部数が増えれば増えるほど印刷コストがかかります。

特に、印刷した商品券が完売しなければ印刷代のみが発生してしまうため、印刷しすぎると大きな損失が発生する場合もあります。

地域商品券を紙で発行する場合は、無駄な印刷コストがなるべく出ないように、発行部数を考慮したり、事前のプロモーションをしたりするようにしましょう。

おつりが出ない

ユーザー側からの懸念点として、おつりが出ないことも挙げられます。

地域商品券は、基本的に500円や1,000円単位で発行されます。この際、800円の商品を1,000円の地域商品券1枚で購入すると200円分のおつりが出ないため損失が生じてしまうのです。

最近では、おつりが出ないことを考慮して、より細かく支払える500円単位の地域商品券が主流です。しかし、どちらの場合でも、上回る額を支払ってもおつりが出ないことには注意が必要です。

地域商品券の活用事例を紹介

近年、多くの自治体が地域商品券を発行しています。

ここからは、地域商品券の活用事例3選をご紹介します。

地域商品券の発行を検討している場合は、ぜひ参考にしてください。

【弊社事例】岐阜県養老町｜養老Payカード

岐阜県の養老町は、「モバイル商品券プラットフォーム byGMO」を用いて、ハイブリット式のプレミアム商品券を発行しています。

通常、「紙のプレミアム商品券」「デジタルのプレミアム商品券」のどちらかしか購入できません。しかし養老町では、基本はスマートフォンアプリでのプレミアム商品券ですが、QRコードが表示されたカードを発行することでスマートフォンが無くても支払いができます。

実際の利用には、養老Payカードを用いて現金・プレミアム商品券をチャージすることでキャッシュレス決済を可能にします。

プレミアム商品券は紙とデジタルのハイブリットが有効！メリットを解説

神奈川県のプレミアム商品券発行事例

神奈川県では、商店街等プレミアム商品券を発行しました。この商店街等プレミアム商品券は、コロナ禍で商店街を訪れる人が激減したことを受け、商店街の活気を取り戻すことを目的に発行されました。商品券は会員の店のみで使用できるため、販促につながって既存顧客はもちろん新規顧客の獲得および固定化ができました。

令和5年度神奈川県商店街等プレミアム商品券支援事業費補助金 – 神奈川県ホームページ (pref.kanagawa.jp)：活用事例集

大型店舗では使えない券面も用意されており、大型店に集中しないように分散化を図っていることも大きな特徴です。

長野県飯田市のプレミアム商品券発行事例

長野県飯田市では、東日本電信電話株式会社　長野支店と提携して「長野県飯田市プレミアム電子商品券」を発行しました。長野県飯田市プレミアム電子商品券は、その名の通り電子プレミアム商品券です。

NTT東日本グループは飯田市内のプレミアム電子商品券事業を支援しています　～地域通貨導入に向けた実証実験のサポートについて～｜東日本電信電話株式会社のプレスリリース (prtimes.jp)

カード型とスマホ型の2種類が用意されており、QRコードが券面に記載されているか、アプリ上に表示されるかという違いがあります。

新型コロナウイルス感染症や、原油・材料費などの高騰による地域経済の低迷を受け、飯田市と飯田商工会議所が市内事業者を支援し、キャッシュレス決済を推進することを目的に発行されました。

地域商品券を活用するためのポイント

地域商品券をうまく活用するためには、いくつかのポイントを意識することが大切です。

ここでは、地域商品券を活用するためのポイントについて詳しく解説します。

運用と管理のルールを明確化する

地域商品券を発行する際は、運用と管理のルールを明確化することが大切です。なぜなら、運用と管理のルールを明確化することで不正防止に繋がったり、運用体制を整えやすいためです。

地域商品券を発行したい場合、まずは発行する目的や誰が管理するのか、何を記録するのかなど、運用と管理に関するルールを明確化して周知しておきましょう。

電子化して管理を簡略化する

管理方法を簡略化させる方法としておすすめなのが、商品券の電子化です。なぜなら、地域商品券を電子化すれば、紙の商品券のように店舗ごとに利用状況を報告してもらい、それを集計するという手間がなくなるからです。

地域商品券を電子化すると、利用状況や利用していない人の属性などがデータとして管理できます。紙のように、一枚一枚使用状況を管理する必要がないため、管理を大幅に簡略化できます。

地域商品券はデジタルとのハイブリッドが重要

地域商品券は、従来紙で発行されることが主流でしたが、スマートフォンやキャッシュレス決済の普及に伴い、デジタル化が進んでいます。

商品券をデジタル化すれば、紙の商品券が抱えていた懸念点を解決できる一方で、機械に不慣れな利用者は、利用しづらいと感じてしまう可能性があります。

双方のデメリットを補うためには、電子商品券と紙の商品券をハイブリッドで扱うことが重要です。

まとめ

近年では、地域商品券を紙だけではなく、電子化して発行する自治体も増えています。

双方にメリットや懸念点があるため、電子商品券と紙の商品券を併用することがおすすめです。

「モバイル商品券プラットフォーム byGMO」なら紙とデジタル商品券の併用が可能！
詳しくは以下の記事をチェック！