自治体DXとは?紙からデジタルへ。進め方をわかりやすく解説

自治体DXは、「紙をPDFにする」「窓口業務をシステム化する」といった単なるデジタル化ではありません。総務省は、ICTの浸透によって人々の生活をより良い方向に変えていくことを重視しており、紙とシステムの二重運用で職員負担が増えてしまった事例も指摘されています。

本記事では、総務省が示す自治体DXの考え方をベースに、「デジタル化」と「DX」の違いを整理しつつ、なぜ今DXが求められているのか、どのように進めればよいのかを解説します。そのうえで、「誰一人取り残さない、人にやさしいデジタル化」という政府ビジョンに沿いながら、現場に無理のない次の一歩を考えるヒントをご紹介します。

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自治体DXとは

自治体DXは、紙や窓口業務を単にデジタルに置き換えることではなく、デジタル技術を活用して行政サービスと業務プロセスを抜本的に見直し、住民の利便性向上と行政運営の効率化・高度化を図る取り組みを指します。

総務省の自治体DX推進計画でも、「住民目線のサービス変革」と「自治体のデジタル基盤整備」が両輪として掲げられています。

デジタル化・デジタライゼーション・DXの違い

ここで整理しておきたいのが、「デジタル化」「デジタライゼーション」「DX」の違いです。自治体業務に当てはめると、次のように考えられます。

デジタル化

紙の申請書をPDF化する、紙台帳をスキャンして電子データにする、といった「形をデジタルにする」レベルの取り組みです。情報は電子化されますが、業務の流れ自体はあまり変わりません。

デジタライゼーション

電子化されたデータを活用し、業務フローを効率化する段階です。例えば、申請のオンライン受付、庁内決裁のワークフロー化、専用画面での進捗管理などが該当します。紙中心の運用に比べ、処理速度やミスの削減が期待できます。

DX(デジタルトランスフォーメーション

デジタル技術を前提に、サービスの提供方法や組織のあり方そのものを変革する段階です。住民の行動やニーズに合わせて手続を簡素化したり、そもそも申請を不要にしたり、データを活用して施策を見直したりすることが含まれます。行政の効率化・高度化や、データを活用した政策立案は、このレベルの取組です。

重要なのは、「業務のデジタル化」と「業務変革」が別物だという点です。例えば、紙のプレミアム付商品券を、そのまま電子券に置き換えただけでは、販売窓口の混雑や加盟店の換金作業といった負担は、構造としてあまり変わりません。この段階はデジタライゼーションにとどまるケースが多くなります。

一方で、プレミアム付商品券の仕組み自体を見直し、「そもそも紙を配らず、オンラインで24時間購入・利用できる仕組みにする」「販売・利用・換金を一元的に管理し、加盟店への精算を自動・即時化する」「利用履歴データを分析し、業種別・地域別の経済効果を把握して次年度の設計に反映する」といったところまで踏み込めば、住民・加盟店・庁内すべての負担が大きく減り、施策の質も高めやすくなります。プレミアム商品券や地域通貨のデジタル化は、単なる券の電子化ではなく、業務とサービスの見直しを伴う自治体DXの一例といえます。

自治体DXは、「今ある業務をそのままシステムに載せる」のではなく、「住民や地域にとって本当に必要なサービスは何か」「最小の手間で最大の効果を出せる流れは何か」を問い直すプロセスでもあります。住民が窓口に来庁することを前提にした手続から、「自宅や職場から、必要なときにアクセスする」前提への発想転換が求められます。

また、自治体DXは庁内だけで完結するものではありません。商工会や地域の事業者、金融機関、NPOなど、多様な主体と連携しながら進めることが重要です。地域社会全体のデジタル実装やデータ連携を進める中で、モバイル商品券のような地域通貨・給付金のデジタル化は、地域経済の活性化、住民サービスの向上、行政の業務効率化を同時にねらう施策として位置づけることができます。

なぜ今、自治体DXなのか

自治体DXが強く求められている背景には、いくつかの大きな社会的要因があります。まず、人口減少と少子高齢化により、自治体職員数には限りがある一方で、行政サービスへのニーズは多様化しています。日本全体で人手不足が進み、従来の人海戦術に頼った運営を続けることは難しくなりつつあります。働き方改革の観点からも、業務の効率化・標準化は避けて通れません。

新型コロナウイルス感染症の拡大は、窓口に来庁しなくても行政手続ができる仕組みの必要性を浮き彫りにしました。特別定額給付金の支給や、プレミアム付商品券の発行などで、「紙の申請」「窓口での行列」が大きな負担となり、業務が逼迫した自治体も多くありました。非接触・オンラインの仕組みは、感染症対策だけでなく、平時の利便性向上にも直結します。

法制度面では、デジタル社会形成基本法や自治体DX推進計画が国としての方向性を示し、自治体情報システムの標準化・共通化、マイナンバーカードの活用、行政手続のオンライン化といった重点取組が明確になっています。これらの取組には、おおむね令和7年度までの完了を目標とするスケジュールが示されており、長期に先送りしづらい状況になりつつあります。

標準化・共通化に対応しないまま独自仕様を維持し続ければ、将来的にシステム維持費や改修費が膨らむリスクや、特定ベンダーに依存せざるを得ない状況が強まる可能性があります。また、ベテラン職員の退職が進む中、紙ベース・属人化した業務を残したままでは、引き継ぎやサービス継続の面でも不安が残ります。

一方で、現場では「既存システムが複雑」「庁内の調整に時間がかかる」「住民のデジタル利用に不安がある」といった課題も多く聞かれます。限られた予算と人員の中で何から手を付けるべきか悩む自治体は少なくありません。そのため、国の方針や標準化のスケジュールを踏まえつつ、自庁の現状と課題を整理し、「負担を減らしながら効果を出せる領域」から着手することが重要です。

例えば、窓口混雑や残業が集中する給付業務、地域経済を支えるプレミアム付商品券・地域通貨などは、住民メリットが分かりやすく、成果も測定しやすい領域として、DXの入り口として取り組みやすい分野といえます。

自治体DXのメリット

自治体DXのメリットは、運営側・利用者側・経営側のそれぞれに現れます。ここでは3つの視点から整理します。

運営側のメリット:業務効率化とデータ活用

補助金申請や商品券事業でペーパレス化とワークフロー導入を進めた自治体では、作業時間とミスが減り、新たな施策に時間を振り向けられるようになったといった効果が報告されています。GMOペイメントゲートウェイとGMOデジタルラボが提供するモバイル商品券プラットフォーム byGMO も、紙の商品券の印刷・配送・換金業務を削減し、自治体の事務負担を軽減することをねらいとしたサービスです。

データがデジタルで蓄積されることで、「どの施策がどの層に利用されているか」「地域経済への効果はどうか」といった分析が可能になり、次の政策立案にも活用できます。特にモバイル商品券では、期間別・業種別・地域別の利用履歴が可視化できるため、翌年度は飲食特化のキャンペーンや未利用エリアへのプロモーション強化など、より効果的な施策に反映しやすくなります。

利用者側のメリット:利便性向上と待ち時間削減

モバイル商品券プラットフォーム byGMO では、利用者はスマートフォンから24時間いつでも商品券を購入・利用でき、1円単位での利用や残高の即時確認も可能です。これにより、専用の窓口に並ぶ必要がなくなり、券の紛失リスクも大きく減ります。

高齢の方や子育て世代にとっても、「買いに行く」「保管する」といった負担が軽くなり、残高をいつでも確認できる安心感があります。自治体の給付金をデジタルで配布する場合も、口座情報収集や通知の手間を抑えつつ、迅速な支給につなげやすくなります。

経営側のメリット:持続可能性と財政効率化

人口減少が進む中で、従来と同じやり方を続けると、職員数や予算の制約に直面します。DXにより業務プロセスを見直し、標準化・共通化を進めることで、システム維持費や紙・郵送コストを抑える余地があります。標準準拠システムへの移行やクラウド活用により、将来的な維持・更新コストの抑制が期待できるケースもあります。

モバイル商品券のような地域DX施策は、地域事業者の売上向上や地域内消費の喚起につながる可能性があり、結果的に税収の安定化にも寄与し得ます。また、電子契約やオンライン申請の導入を通じて「紙文化からの脱却」が進むと、若手職員の採用・定着という面でもプラスに働くことがあります。

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自治体DXの課題とリスク

一方で、自治体DXにはいくつかの課題とリスクも存在します。推進にあたっては、以下の4点を事前に整理しておくことが重要です。

デジタルデバイド(情報格差)への配慮

政府は「誰一人取り残さない、人にやさしいデジタル化」を掲げており、高齢の方や障がいのある方、スマートフォンに慣れていない方への配慮は自治体DXの前提条件とされています。デジタル商品券の事例でも、セキュリティやデジタルデバイドへの懸念から導入が難しいという声があり、商店街や地域団体が操作サポートや説明会を通じて利用を広げた取り組みが報告されています。

  • デジタルとアナログの併用期間を設ける
  • 窓口や電話でのサポート体制を整える
  • 商工会や地域団体と連携し、使い方講習会を実施する

セキュリティと個人情報保護

住民情報や決済情報を扱う以上、不正アクセスや情報漏えいのリスクを十分に考慮する必要があります。総務省の情報セキュリティガイドライン等を踏まえ、クラウド利用時にも多要素認証やアクセス制御などの対策を講じることが求められます。システム選定にあたっては、法令やガイドラインに沿った安全なサービスであるか、認証取得や運用・監査体制が整っているかを確認することが重要です。

既存システムとの統合コスト

長年利用してきた基幹系システムや、個別に導入した業務システムが乱立している場合、新たなサービスを導入する際に連携やデータ移行が課題となります。すべてを一度に刷新することは現実的ではないため、総務省の標準化・共通化方針に沿って優先順位をつけ、段階的に統合を進めることが求められます。

職員の意識・スキル改革

システムを導入しただけでは、従来のやり方に引きずられ、紙とデジタルの二重運用でかえって負担が増えるという指摘も少なくありません。「これまで通りの書類も残しておきたい」「紙の方が安心」といった不安に寄り添いつつ、研修やOJTを通じて、デジタルツールを使いこなせる職員を育成していくことが重要です。プロジェクトを一度に大規模に展開するのではなく、小さな範囲で試行し、結果を踏まえて拡大する「段階的導入」を心掛けることで、現場の負担を抑えつつ着実に前進できます。

自治体DXの進め方

自治体DXを進める際には、次の4ステップで取り組むと整理しやすくなります。総務省の自治体DX推進手順書や各種解説でも、同様のステップが示されています。

STEP

現状把握

庁内の業務プロセスやシステム構成、住民サービスの提供状況を棚卸しし、「どこにムダがあるか」「住民や事業者からどのような不満が寄せられているか」を可視化します。窓口の行列が絶えない手続きや、特定の時期に残業が集中する業務など、現場の”痛み”を洗い出すことが重要です。

STEP

計画策定

国の自治体DX推進計画やシステム標準化のスケジュールを踏まえつつ、自庁としての優先課題と目標を設定します。「窓口来庁者数をどの程度減らすか」「給付業務の処理時間をどこまで短縮するか」「地域経済のデータをどこまで可視化するか」など、定量的な指標を持つことで、取組の成果を振り返りやすくなります。

STEP

実行

優先度の高い領域から、具体的な施策を実行します。マイナンバーカードを活用したオンライン申請や、モバイル商品券によるプレミアム付商品券・給付金のデジタル化などは、住民メリットが分かりやすく、効果も見えやすい取組です。まずは一部地域・一部券種など小さな範囲で導入し、結果を見ながら段階的に範囲を広げるアプローチが現実的です。

STEP

評価・改善

導入後は利用状況や職員の負担、住民・事業者の声を定期的に確認し、改善を重ねます。データに基づき、次の施策や拡張範囲を検討するとともに、紙とデジタルの二重運用期間をいつまでに解消するかといった移行計画も明確にします。

外部の専門事業者と連携する際は、ベンダー任せにせず、要件定義や運用設計に現場職員が参加し、他自治体の成功・失敗事例を参考にしながら、リスクを抑えつつ段階的に進めていくことが有効です。

まとめと次のステップ

自治体DXはゴールではなく、住民サービスの質を高め、限られた人員・予算で行政を持続可能にするための手段です。重要なのは、「デジタル化すること」そのものではなく、「どのような課題を解決したいのか」を明確にし、現場の負担を減らしながら一歩ずつ前進することです。

デジタル化→ デジタライゼーション → DX という段階を踏まえながら、住民・加盟店・庁内すべての負担を減らす仕組みへ移行していくことが、地域経済の活性化と行政の持続可能性を両立する近道です。

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よくある質問

自治体DXと単なるデジタル化は何が違いますか?

デジタル化は、紙の書類をPDFにするなど「形をデジタルにする」だけで、業務の流れ自体はほとんど変わりません。自治体DXはその先にあり、デジタル技術を前提に行政サービスの提供方法や組織のあり方そのものを変革することを指します。例えば、プレミアム付商品券をデジタル化する際も、単に券を電子化するだけでなく、販売・利用・換金・データ分析を一元化して業務負担を抜本的に減らすところまで踏み込むことが、DXの実践といえます。

デジタルが苦手な住民や高齢者への対応はどうすればよいですか?

「誰一人取り残さない、人にやさしいデジタル化」は政府の基本方針でもあります。デジタルとアナログの併用期間を設ける、窓口や電話でのサポート体制を整える、商工会や地域団体と連携して使い方講習会を実施するなどの対策が有効です。モバイル商品券プラットフォーム byGMO では、スマートフォンをお持ちでない方向けの代理利用など、デジタルデバイドへの対応を組み込んでいます。

自治体DXはどこから始めるべきですか?

まず現状把握として、窓口混雑や残業が集中する業務、住民から不満の多い手続きを洗い出すことが重要です。そのうえで、住民メリットが分かりやすく効果も測定しやすい領域から着手することをお勧めします。給付業務のオンライン化や、プレミアム付商品券・地域通貨のデジタル化は、成果が可視化しやすいため、DXの入り口として取り組みやすい分野です。大規模な刷新より、小さな範囲での試行から始める段階的導入が現場への負担を抑えながら前進できる方法です。

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